これまでに登ってきた山々の記録を振り返る「まとめシリーズ」の第2弾。今回は静岡県を中心に、バリエーション豊かな山々をピックアップしました。

低山ながら満足度の高い山、富士山の迫力を間近で感じられる山、縦走が楽しい山など、それぞれに個性があり、どれも印象に残る山行ばかりです。


■ 南アルプス前衛の静寂と展望

八紘嶺

静岡市の梅ヶ島エリアからアクセスできる八紘嶺は、南アルプスの南部に位置する落ち着いた雰囲気の山。登山道はよく整備されており、ブナ林の中を歩く心地よさが魅力です。

冬場には霧氷が見られることもあり、条件が揃えば幻想的な世界が広がります。山頂からの展望も良く、天気が良ければ南アルプスの山並みを望むことができます。

派手さはないものの、「じわじわ効いてくる良さ」がある、通好みの一座です。

主な特徴・概要

八紘嶺(はっこうれい)は、山梨県と静岡県の県境に位置する標高1,918mの山です。
山梨百名山の一つに選定されており、安倍川の源流部、通称「安倍奥」の山岳地帯に佇んでいます。 

  • 場所: 静岡県静岡市葵区と山梨県南巨摩郡早川町・身延町の境界。
  • 標高: 1,918m。
  • 特徴: 安倍奥エリアに位置し、奥静岡エリア(オクシズ)の深い山間部にある。
  • 山梨百名山: 1997年に山梨県が選定した名山100選。 

■ 富士山のエネルギーを体感

宝永山

富士山の南東側に位置する宝永山は、1707年の宝永噴火によって形成された巨大な火口が特徴的な山です。

登山道は砂礫地が多く、いわゆる“滑る登り”で脚への負担は大きめ。逆に山頂からの下山時は楽しいかも。しかしその分、非日常的な景観が広がり、まるで別の惑星にいるような感覚になります。

山頂から見上げる富士山の迫力は圧巻で、「富士山を登らずして富士山を感じる」ことができる貴重なスポットです。

主な特徴・概要

宝永山(ほうえいざん)は、富士山南東斜面にある標高2,693mの側火山です。 

  • 誕生: 1707年(宝永4年)の「宝永大噴火」によって形成されました。
  • 最新の側火山: 2026年現在、この噴火が富士山における最も新しい噴火であるため、宝永山は富士山で最も新しくできた側火山です。
  • 最大級の側火山: 富士山にある多くの側火山の中で最大規模です。
  • 宝永火口: 山頂付近には、大噴火によってできた3つの大きな「宝永火口(第1〜第3火口)」が連なっており、その中でも第1火口は特に巨大です。 

登山と景観

  • アクセス: 主に富士宮口五合目、または水ヶ塚公園から登山道が整備されています。
  • 難易度: 新五合目から約1時間半〜2時間程度で山頂へ到達でき、本格的な富士山登山よりは容易です。
  • 見どころ: 火口の荒々しい景観と、山頂から望む富士山頂の荒々しい景色が特徴です。 

宝永大噴火は、この噴火の約49日前に発生した宝永地震(1707年)の誘発によって起きたとされています。 


■ 歩きごたえ抜群の縦走路

湖西連峰

静岡県西部から愛知県にかけて広がる湖西連峰は、アップダウンを繰り返す縦走が魅力の山域です。

標高自体は低めながら、細かなピークをいくつも越えていくため、トレーニングとしての強度は意外と高め。登山道も整備されており、迷いにくいのもポイントです。

展望ポイントも多く、浜名湖や太平洋を望む開放的な景色が楽しめます。距離を歩きたい人には特におすすめです。

主な特徴・概要

湖西連峰(こさいれんぽう)は、愛知県豊橋市・新城市と静岡県湖西市・浜松市浜名区の県境に連なる約200m〜400m級の山地で、一般的には「弓張山地」の南部の別称です。神石山(一等三角点)や、石灰岩の巨岩で知られる石巻山などが含まれ、浜名湖や遠州灘を望むハイキングコースとして人気があります。 

  • 場所: 静岡県湖西市、浜松市、愛知県豊橋市、新城市の県境周辺。
  • 別名: 弓張山地(ゆみはりさんち)、八名弓張山地(やなゆみはりさんち)。
  • 標高: 200m〜400m程度の低山が連なる。
  • 山々: 神石山(約324m)、大知波山、嵩山、石巻山など。
  • 見どころ: 椿の大木やイヌツゲの群生があり、尾根筋からは浜名湖や太平洋の展望が開ける。
  • ハイキング: 豊橋自然歩道としても整備されており、一年を通じて歩く人が多い。

■ 静かな自然と達成感

竜頭山

浜松市の天竜エリアに位置する竜頭山は、比較的マイナーながら、しっかりとした登り応えのある山です。

登山道は自然林が多く、静かな山歩きを楽しめるのが魅力。人が少ない分、自分のペースでじっくり歩けます。

山頂付近は開けており、達成感もしっかり味わえる一座。トレーニングとリフレッシュを兼ねた山行に最適です。冬には積雪もあり、雪山トレーニングにも最適です。

主な特徴・概要

静岡県浜松市天竜区(佐久間町と春野町境)にある標高1,352mの山。南アルプス深南部に位置し、かつては秋葉山の奥の院として修験の山として知られていました。山頂付近からは天竜川や周囲の山々、遠くは太平洋まで望む大パノラマが楽しめ、四季を通じて登山者に親しまれています。 

  • 場所: 静岡県浜松市天竜区
  • 標高: 1,351.6m
  • 別名/関連: 秋葉山奥の院、南アルプス深南部
  • 特徴: 山頂には展望台や避難小屋、防火用の望楼がある

■ 個性豊かな山々を振り返って

今回紹介した山々は、それぞれタイプが異なります。

  • 八紘嶺:静寂と自然美
  • 宝永山:ダイナミックな地形
  • 湖西連峰:縦走トレーニング
  • 竜頭山:静かな林道歩き。トレーニング。

同じ「登山」でも、山によって得られる体験はまったく違うことを改めて実感します。


■ まとめ

静岡県周辺には、標高に関係なく魅力的な山が数多く存在します。今回のようにテーマ別に振り返ることで、それぞれの山の良さがより明確になります。

今後も登山を続けながら、新たな山の魅力を発見し、このまとめシリーズも積み重ねていきたいと思います。

「次はどこに登ろうか」と考える時間もまた、登山の楽しみの一つです。