中国地方ドライブ旅行も、いよいよ最終回。
姫路城から始まり、竹田城、金ヶ崎城と、歴史好きにはたまらない場所を巡ってきた今回のドライブ旅行。最後はやっぱり、自分らしく山に登って締めくくりたい。
ということで、最後の目的地に選んだのは滋賀県と岐阜県の県境にそびえる伊吹山だ。
今回は、伊吹山ドライブウェイを利用して山頂を目指す、気軽な登山の予定。ところが、山の天気はそう簡単にはいかなかった。
期待に胸を膨らませて向かった伊吹山で待っていたのは、想像を超える真っ白な世界だった。
伊吹山とは?日本百名山にも選ばれた名峰
伊吹山は、滋賀県と岐阜県の県境に位置する標高1,377mの山。滋賀県の最高峰であり、日本百名山のひとつとしても知られている。
山頂からは琵琶湖や濃尾平野、周囲の山々など、360度に広がる雄大な景色を楽しめることで人気がある。
また、伊吹山は高山植物の宝庫としても有名だ。季節によってさまざまな花が咲き、登山だけでなく自然観察を目的に訪れる人も多い。
伊吹山の魅力を語るうえで欠かせないのが、伊吹山ドライブウェイの存在である。
全長約17kmの有料道路を走れば、標高約1,260mにある山頂駐車場まで車で行くことができる。そこから登山道を歩けば、山頂までは最短ルートで約20分。比較的気軽に山頂を目指せるのだ。
本格的な登山を楽しみたい人はもちろん、普段あまり山に登らない人でも挑戦しやすいのが特徴である。
ただし、標高1,300mを超える山だけに、麓と山頂付近では気温が大きく異なる。霧や強風など、天候が急変することもあるため、短時間の登山だからといって油断は禁物だ。
そんな伊吹山に、今回の旅行の締めくくりとして登ることにした。
伊吹山ドライブウェイへ!晴天に期待が高まる

伊吹山に向かって車を走らせる。
この日は、山に向かう途中までとても良い天気だった。
空は明るく、周囲の景色もきれいに見える。これなら山頂からの眺望も期待できそうだ。
「最後にいい景色を見て、今回の旅行を締めくくろう」
そんなことを考えながら、伊吹山ドライブウェイへと入っていった。
伊吹山ドライブウェイは、山の中腹から山頂付近まで続く全長約17kmの有料道路。道を進むにつれて標高が上がり、普段のドライブとは違った山岳道路ならではの雰囲気が楽しめる。
ただし、山の天気は平地とは別物だ。
走り始めた頃には晴れていたのに、終点に近づくにつれて、なんだか様子がおかしくなってきた。
山頂付近に雲がかかっている。

最初は「まあ、少しくらいなら大丈夫だろう」と思っていたが、進むにつれて雲は濃くなり、視界も悪くなっていく。
これは、もしかすると……。
そんな不安を抱えながら、山頂駐車場へと到着した。
駐車場に到着すると、そこは360度真っ白な世界


車から降りてみると、そこには予想以上の光景が待っていた。
360度、見渡す限り真っ白。
山頂付近はすっかり霧に包まれ、遠くの景色どころか、周囲の様子もよく分からない。
しかも、風が強い。
気温そのものが何度だったのかは分からないが、風に吹かれると体感温度は0℃くらいに感じる。耳が痛くなるほどの寒さだ。
さっきまでの晴天はいったい何だったのか。
山の天気が変わりやすいことは分かっているつもりだったが、これほど一気に状況が変わるとは。
とはいえ、せっかくここまで来たのだから、登らずに帰るわけにはいかない。
まずは上着を羽織り、手袋を装着。念のため、雨具もすぐに使えるように準備した。
登山経験があると、こういう場面では自然と装備が増えてしまう。
山頂までの道が短いからといって、何も考えずに歩き始めるわけにはいかない。風が強ければ体温を奪われるし、霧が濃い状態で雨まで降ってきたら、さらに条件は悪くなる。
一方、周囲を見渡すと、登山というより観光の延長といった服装で歩いている人も多い。
確かに、普段着でも歩けるような整備された道ではある。しかし、天候が悪いときは話が違う。
短時間の登山であっても、山に入る以上はそれなりの備えが必要だと改めて感じた。
いざ山頂へ!短い登山道でも油断はできない


準備を整えて、いよいよ山頂へ向かう。
伊吹山の山頂駐車場からは、西登山道、中央登山道、東登山道の3つのコースが整備されている。
西登山道は比較的なだらかで、山頂まで約40分。中央登山道は距離が短く、約20分で山頂に到着するが、急な階段が続く。東登山道は下り専用で、約60分かかるコースだ。
今回は軽めの登山ということもあり、短時間で山頂を目指せるコースを歩く。
実際に歩いてみると、登山道は整備されており、山頂までの距離も短い。普段から登山をしている人なら、体力的にはそれほど大きな負担にはならないだろう。
本格的な登山靴や大きなザックがなくても歩けそうな雰囲気で、実際に気軽な服装の観光客もたくさんいた。
ただし、道には石が露出している場所や、滑りやすい階段などもある。足元には注意が必要だ。
そして、何より今回は風と霧が問題だった。
歩いていても、視界はほとんど開けない。晴れていれば素晴らしい景色が広がっているはずなのに、目の前にあるのは白い霧ばかり。
本来なら、周囲の景色を眺めながら気持ちよく歩けるはずの登山道だが、今回はひたすら前へ進むだけ。
それでも、せっかく来たのだから山頂までは行こう。
そう思いながら、一歩ずつ登っていった。
山頂に到着!しかし、景色は何も見えない
そして、山頂に到着。
本来なら、ここから360度の大パノラマが広がっているはずだ。
琵琶湖を見渡し、遠くの山並みを眺め、今回の旅行を振り返りながら、ゆっくりと景色を楽しむ。そんな時間を想像していた。
ところが……。
山頂も、やっぱり真っ白だった。
何も見えない。
見渡す限り霧。どちらを向いても白い世界で、期待していた絶景は完全にお預けとなった。
しかも、風が強くて寒い。
耳は痛いし、じっと立っているのもつらい。景色を眺めながらのんびり過ごすような状況ではなかった。
とりあえず、山頂まで来た証拠に写真を撮る。

そして、早々に下山することにした。
せっかく時間とお金をかけて来たのに、山頂からの景色をまったく楽しめないとは。
こればかりは、自然が相手なので仕方がない。
むしろ、こんな天候だからこそ、無理に長居せずに下山する判断も大切だ。
山頂からの眺望を楽しむことはできなかったが、伊吹山の厳しい一面を体験できたという意味では、これはこれで記憶に残る登山になった。
平日なのに大勢の人!やっぱり伊吹山は人気の山
今回、もうひとつ印象に残ったことがある。
それは、これほど天候が悪いにもかかわらず、山頂付近には大勢の人がいたことだ。
しかも平日である。
駐車場から山頂へ向かう人も多く、登山道では何人もの人とすれ違った。
晴れていれば、さらに多くの人で賑わうのだろう。
伊吹山が人気なのも納得できる。
車で山頂近くまで行けるアクセスの良さに加え、短時間で登頂できる手軽さ。そして、天気に恵まれれば360度の大パノラマを楽しめる。
本格的な登山を目的にする人だけでなく、ドライブ旅行の途中に立ち寄る観光客にも魅力的な場所なのだと思う。
今回のように天候に恵まれない日でも、多くの人が訪れているのだから、伊吹山が持つ集客力は相当なものだ。
だからこそ、今回の結果には少し悔しさが残る。
せっかく来たのなら、やっぱりあの絶景を自分の目で見てみたい。
そう思わせてくれる山だった。
伊吹山登山の基本情報
今回の経験を踏まえて、伊吹山を訪れる際に知っておきたい情報をまとめておこう。
- 所在地: 滋賀県米原市・岐阜県との県境
- 標高: 1,377m
- 山の特徴: 日本百名山、滋賀県最高峰
- アクセス: 伊吹山ドライブウェイを利用し、山頂駐車場へ
- ドライブウェイ: 全長約17km
- 登山コース: 西登山道、中央登山道、東登山道
- 山頂までの所要時間: 中央登山道で約20分、西登山道で約40分
- 見どころ: 琵琶湖や周囲の山々の眺望、高山植物
- 注意点: 霧、強風、急な気温低下、滑りやすい足元
※登山道の所要時間は目安。体力や天候、路面の状況によって変わる。
なお、伊吹山ドライブウェイの通行料金や営業時間は変更されることがあるため、訪問前に公式サイトで確認しておきたい。
また、2023年の豪雨による登山道の大規模な崩落の影響で、麓からの一般登山道は利用できない状態が続いている。現在はドライブウェイ終点の山頂駐車場から山頂を目指すルートを利用する形となるため、最新の通行・登山情報を必ず確認してほしい。
まとめ:伊吹山はリベンジ確定!
今回の中国地方ドライブ旅行は、姫路城、竹田城、金ヶ崎城と歴史を感じる場所を巡り、最後は伊吹山で登山を楽しんで締めくくる予定だった。
ところが、最後の最後で天候に恵まれず、山頂からの景色はまったく見えないという結果に。
晴天の中をドライブしていたときには、こんな展開になるとは思いもしなかった。
山頂では強風と寒さに耐えながら写真を撮り、早々に下山。登山そのものは短時間で終わったが、期待していた絶景を見ることはできなかった。
それでも、山に登ればこういうこともある。
山の魅力は、必ずしも毎回絶景を見られることだけではない。天候の変化に対応し、自分の装備を確認し、安全を考えながら行動することも登山の一部だ。
とはいえ、やっぱり悔しい。
伊吹山の山頂からは、どんな景色が広がっているのだろうか。
琵琶湖を見下ろし、周囲の山々を眺める360度の大パノラマ。今回は想像することしかできなかったが、次こそは自分の目で確かめたい。
伊吹山、リベンジ確定!
これで中国地方ドライブ旅行は終了。
城巡りを楽しみ、歴史に触れ、最後は山に登る。自分の好きなものを詰め込んだ、充実したドライブ旅行となった。
次の旅でも、城と山を巡りながら、新しい発見を楽しんでいきたい。
やっぱり、旅の締めくくりには登山がよく似合う。
次こそは、晴れた伊吹山の絶景を見に行こう。