春の澄みきった青空の下、静岡県東部に連なる**愛鷹山を縦走してきた。今回のルートは、池の平から入り、位牌岳袴腰岳**を巡る周回コース。距離はおよそ10km前後、標準コースタイムは5〜6時間ほど。急登とアップダウンが続く、歩き応えのある中級者向けルートだ。

池の平から静かな森へ

登山口からしばらくは、広葉樹と針葉樹が混じる穏やかな森歩き。春とはいえ標高が上がると空気はひんやりと冷たい。足元には新芽が芽吹き、ところどころにスミレや小さな春の花が咲いている。冬枯れの名残と春の息吹が同居する、この時期ならではの景色だ。

池の平周辺は比較的なだらかだが、その後徐々に傾斜が増していく。愛鷹山系は火山由来の地形らしく、ややザレた箇所や根が張り出した登山道もある。滑りにくい登山靴が安心だ。

位牌岳への登り ― この日の核心部

位牌岳直下はこのコースのハイライト。勾配が一気に増し、息が上がる。ジグザグに高度を稼ぎながら、心拍数も自然と上昇。トレーニング登山としても申し分ない負荷だ。

やがて山頂に立つと、視界が一気に開ける。振り返れば雄大な**富士山**。春霞が少しかかりながらも、その稜線はくっきりと美しい。南側には駿河湾方面の広がりも感じられ、標高以上の展望を楽しめるのが位牌岳の魅力だ。

山頂で行動食を取りながらしばし休憩。風は穏やかで、日差しは柔らかい。春山の醍醐味を存分に味わう時間だった。

袴腰岳へ、静かな縦走路

位牌岳から袴腰岳へは、いったん鞍部へ下り、再び登り返す。距離以上に体力を使う区間だ。アップダウンの連続は下半身、とくに大腿四頭筋と臀部に効いてくる。

袴腰岳山頂は位牌岳ほどの大展望ではないが、その分静かで落ち着いた雰囲気がある。登山者も少なく、ベンチに腰掛けて森の音に耳を澄ますと、鳥のさえずりと風の揺らぎだけが聞こえる。

春の愛鷹山は“鍛えながら癒される”山

今回の縦走を通じて感じたのは、愛鷹山は派手さよりも“充実感”を与えてくれる山だということ。急登あり、アップダウンあり、しかし危険箇所は比較的少ない。体力づくりと自然の癒しが両立する。

春は気温も安定し、虫もまだ少なく、登山には最適なシーズン。ただし前日までの降雨によってはぬかるみが増えるため、天候チェックは必須だ。

コース概要(目安)

• 距離:約10km

• 標高差:約800m前後

• 所要時間:5〜6時間

• 難易度:中級(体力要)

春の青空の下、富士を望みながら歩く愛鷹の稜線。華やかなアルプスのような迫力はないが、静岡に住む者にとっては身近で、しかし確かな達成感を与えてくれる山域だ。

次は新緑が深まる5月か、それとも紅葉の頃か。季節を変えて、またこの稜線を歩きたい。

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50歳過ぎて登山をはじめました。

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