
3月、まだ冬の名残が残る静岡県富士宮市。
この日は早朝から毛無山へ向かった。
標高1,964m、富士山の西側にそびえるこの山は、その名の通り「毛のない山」、つまり木々が少なく、頂上からの展望が抜群だ。
50代になって始めた登山。
今回は、自分と向き合う“静かな時間”を求めて、ソロでの山旅を選んだ。
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【登山ルートと所要時間】
登山口は「毛無山登山口駐車場(朝霧高原・麓側)」からスタート。
登山口の標高は約900m、頂上までの標高差は1,000m以上。
コースタイムは登り3時間半、下り2時間半が目安。
序盤は緩やかな樹林帯を進み、
中盤からは急登が続く。

落ち葉の下にまだ凍った地面が残り、足元には細心の注意が必要だった。
途中、「五合目展望台」からは富士山が顔をのぞかせ、
そこからの景色に思わず足が止まった。

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【山頂でのご褒美】
頂上に立つと、眼前にドーンと富士山。
3月の空気は澄んでいて、雪化粧した富士の姿がくっきりと見える。
山頂には先客が1人。軽く会釈を交わし、それぞれ静かな時間を過ごす。
カップ麺をゆっくりと食べながら、
「登ってよかった」と心から思える瞬間だった。
山の静寂と、富士の存在感。
それだけで心が満たされた。

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【下山と反省点】
下山は急なガレ場が多く、特に落ち葉が積もった箇所では滑りやすい。
ストックを使いながら慎重に進むことをおすすめしたい。
3月はまだ雪が残る年もあるため、
軽アイゼンを携帯しておくと安心。
また、風が強く体感温度が低い日もあるので、
防風ジャケットや手袋も必須だ。
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【登山を終えて感じたこと】
50代になってからのソロ登山は、
若い頃の「達成感を求める登山」とは少し違う。
今はただ、自分のペースで山を歩き、
自然と対話する時間が何よりのご褒美だ。
毛無山の名のように、
飾り気のない素朴な山だけれど、
その静けさが心を整えてくれる。
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【まとめ】
• 富士山を正面に望む絶景ポイントが魅力
• 3月はまだ冬装備が必要(防寒+軽アイゼン)
• 登り応えがあり、50代でも充実感たっぷり
• ソロ登山にもおすすめの静かな山
次は新緑の5月に再訪し、
違った表情の毛無山を楽しみたい。